当社は「ローコスト住宅の建売分譲住宅」の不動産仲介をやっています。「ローコスト住宅」と言う言葉は広く広まってきましたが、明確な基準があるわけではありません。
ローコスト住宅とハウスメーカーはどう違うがまったく分かりません。
ローコスト住宅という明確な言葉はありません。一般的には「低価格で販売または建築された住宅のこと」を指します。しかしながら「低価格」の定義ってそもそも何でしょうか?
このように「ローコスト住宅」の低価格の意味合いもあいまいです。今回の記事では、分かりやすい形で「ローコスト住宅」と「ハウスメーカーの住宅」の違いについて解説します。
この記事では、敢えて、ローコスト住宅の定義を上記のように決めてみました。
ローコスト住宅にも2タイプの「住宅」があります。
- 建売分譲住宅(ハウスメーカーが自身で土地を購入し住宅を建てて販売する)
- 注文住宅(購入者が土地を購入してハウスメーカーが住宅を請負契約で建てる)
「ローコスト住宅」の低価格であるならば、1も2も「ローコスト住宅のハウスメーカー」と言うことができます。ところが…
ローコスト住宅のメーカとハウスメーカーとの違いの本質は?!
少々強引だったかもしれませんが、分かりやすい記事にするために「住宅の建築費用を1,000万円台」としました。(上の写真は、飯田ホールディングスGの木材加工工場)
一般的に「注文住宅」は、購入者の好みによって間取りや設計、仕様などにこだわるために、ハウスメーカー側も多く経費がかかります。
ハウスメーカーの経費とは、どんなのがあるんですか?
注文住宅は購入者と何度も打ち合わせをしたり、ニーズに応じた対応をしていくため、営業コストが多くかかります。また、住宅展示場などを運営していたり、テレビCM、新聞広告なども積極的に展開しているため、多額の経費が掛かっています。
それぞれのハウスメーカー(建築会社)は、自社の製品(住宅)の販売戦略を定めています。住宅は多くの人にとって「人生において最も高い買い物」であるため、購入する際は「住宅ローン」契約を締結して、数十年かけて返済します。
ハウスメーカーの戦略は、主に以下のような種類があります。
- 注文住宅を販売するor建売住宅を販売
- 住宅の価格帯を「高級志向or低価格」
- 住宅の構造・工法「木造or軽量鉄骨など」
各ハウスメーカーは経営戦略において、住宅販売の利益率なども変わってきます。年間の販売戸数も違います。企業ブランドもあります。
こうした状況があり、高級志向のハウスメーカーが「ローコスト住宅」の市場に入ってくるのは例が少ないと思います。
ローコスト住宅は徹底したコストカットで「薄利多売」を狙う
前述の「ローコスト住宅の定義」で、建築費が1,000万円台と述べました。建築費用がかなり安く安く抑えられいます。
ローコスト住宅は価格が安い分、安心して住めないのでしょうか?
当社では「ローコスト住宅」で規格注文住宅を建築し、住宅展示場として活用しています。実際に生活したこともあり、その経験で言えば…
『快適です‼』『生活するのになんらの問題もありません』
ローコスト住宅の建築費用が安い4つの理由とは?!
ローコスト住宅がどうして低価格で建築することができるか?
ここからは、実際にローコスト住宅を購入した当社の実体験を元に、その理由を考えてみます。
工事・工法を合理化して人件費をカットしている
多くのローコスト住宅は木造住宅で、部材は工場で一括加工です。住宅の種類も決まっているため、工事の工法もパターン化しています。実際に工事をするのは会社と契約した大工、工務店、職人ですが、パータン化した工事のために熟練した技術がなくても大丈夫です。
建材・部材の大量仕入れでコスト削減している
これは先ほどの述べたことと同じです。ローコスト住宅の内装・設備は「定型」で、購入者は自由に選ぶことができません。建材・部材を大量仕入れで仕入れコストを抑えています。
間取りの自由度が狭い「規格注文住宅」を販売
注文住宅の場合は、購入者が自由に間取りを変更することが可能ですが、ローコスト住宅の注文住宅は、間取りなどの自由度が狭いのが特徴です。
間取りやデザインを自由に選びたいならば、高級志向のハウスメーカーの注文住宅の方が良いでしょう。
無駄な「営業費用」を徹底的にカットしている
ローコスト住宅のメーカーは「薄利多売」で勝負をするために、住宅1戸当たりの契約に営業コストをかけたがりません。注文住宅の営業マンのように、購入者と何度も打ちあわせをして「住宅を建築していく」という方法はとらないことがほとんどです。
また「薄利多売」のために、投下資金の回収を早くするために、建売住宅販売の場合は、極めて短いスパンで完売を目指します。営業マンも販売活動を「不動産会社の仲介業務」を活用するなどコストカットをしています。
ローコスト住宅のメーカーは「パワービルダー」と呼ばれる?!
皆さまは「パワービルダー」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「パワービルダー」とは、一般には「低価格で床面積30坪程度の建売を分譲するハウスメーカー」を指した和製英語です。
業界トップのハワービルダーとして有名なのが「飯田ホールディングスグループ」で、グループ会社6社で年間約46,000戸、分譲戸建て住宅の全国シェアの3割を誇る販売をしています。
佐賀市内で建売住宅販売トップの㈱アーネストワンは、飯田ホールディングスのグループ会社です。
ハワービルダーとして飯田グループの躍進によって、多くの建売業者や工務店がこれを模倣し、全国にこのビジネスモデルが広がりました。
一方で「タマホーム」のように建売分譲にあまり力を入れていない会社も「パワービルダー」と呼ばれることもあるため、人によっては『勢いのあるビルダー(ハウスメーカー)』という意味合いで使うこともあります。
ローコスト住宅メーカーとハウスメーカーは「市場」が異なる!
写真は佐賀市内の「住宅展示場」です。ここに出店しているのは、高級志向住宅のハウスメーカーで、前述のパワービルダー系の「ローコスト住宅」とは市場が異なります。
当社のような不動産会社が「仲介」して、販売に関わっている住宅は、注文住宅ではなく「ローコスト分譲住宅」です。言い換えれば、パワービルダーがコストカットしている営業活動分を“外注”のような形で受けて関わっていると言えるでしょう。
このローコスト住宅の営業活動については、別の記事で詳しく解説します。
まとめ:ローコスト住宅の性能は悪くない!!建てた実感
この写真は、当社が㈱アーネストワンで建てた「規格注文住宅」です。ローコスト住宅ですが、性能はバッチリです。
私はこの住宅を建築するプロセスをつぶさに見てきましたが、しっかりとした工法で満足が行く内容でした。
当社では㈱アーネストワンの住宅を2戸購入した経験から、お客様の「建売住宅の購入」の際には、さまざまな点からのアドバイスをさせていただいております。
当サイトでは「建築」に関する記事を掲載していますが、佐賀市内の建売住宅を扱っていますので、お気軽にご連絡ください。