近年は「異常気象」と言われる現象が頻繁に起きています。全国各地でゲリラ豪雨、温暖化の影響での大雨、それらに伴う河川の氾濫の事例が増えています。
佐賀市は南に有明海があります。この有明海は日本で最も干満の差が激しい海で、昔から干拓が盛んでした。このため、佐賀市の地域には「干拓して新しくできた土地」があり、地盤の軟弱性などが指摘されています。
また、佐賀市内全域に「クリーク」を呼ばれる水路があり、佐賀平野での農業や人々の生活に密着した存在でした。
トップの写真は2019年8月28日の大雨時の佐賀市内の冠水を当社が撮影したものです。
佐賀市では大雨の時に、あちこちで冠水が起こるのですか?
そうですね。私は、佐賀市に長く住んでいるので、経験値で『この地区は、大雨になると冠水になる…』というのが分かります。
2019年8月の豪雨の後、佐賀市は『浸水のハザートマップ』を改訂しました。
当社では、建売住宅の内覧の際に、お客様に対して「佐賀市のハザードマップ」を示して、その地区の浸水の可能性などを詳しく説明しています。今回の記事では、佐賀市の浸水リスクをどのように見るべきかなどを解説します。
自然の力は人間の想像を超えるものなので『100%浸水はない』と言えることはできません。
しかしながら…、事前に知っておくべきこと、準備しておくことが分かっていたら、災害の際に落ち着いて行動することができます。
浸水のメカニズムは、想定を超える雨量があった場合、河川、水路や下水道に流れ込む水の量が増えすぎ、さらに、海の満潮時に重なったりすると、急激に水位が上がることが原因です。
佐賀市のハザードマップで水害の可能性を見極める!
佐賀市では、公式サイトで「ハザートマップ」を公開しています。上記の写真は佐賀市のサイトの転載です。
現在、ローコスト建売住宅の売買契約において、不動産会社が担当する「重要事項説明書」を買主に交付する際には『ハザードマップの提出』を義務化しています。当社が担当するお客様には「ハザードマップ」を示しながら、浸水のリスクなどを説明しています。
佐賀市のハザードマップは「最大の雨量と有明海満潮」の想定
この図は、佐賀市が作成した「浸水の可能性」を示すハザードマップです。赤い色が浸水深3メートル以上の想定の地域です。「ハザードマップ」では、2019年8月の豪雨(1時間の最大雨量が110㎜を想定)に、有明海の満潮が重なったケースでの浸水予想結果を公表しました。
これによると、佐賀市内の広い地域で「浸水の可能性」が指摘されました。これを見て多くの人が驚きました。浸水深が3メートルと言えば、2階建ての1階部分がほぼ水没するレベルです。
ハザードマップの浸水想定が、通常ではありえないような雨量と満潮時などの厳しめの条件下ではありますが、住民の不安はぬぐえません。
ハザードマップは「内水浸水・河川の氾濫浸水」の2種類がある
再び、佐賀市のハザードマップの転載です。ちなみに、佐賀市建設部河川砂防課のハザードマップは「内水(ないすい)による浸水を想定した」ものです。
内水想定のハザードマップとはどういう意味ですか?
内水による浸水想定は、集中豪雨などで「河川が氾濫しなくても」道路冠水などが起こることを想定しています。
内水は、河川氾濫と異なり「一時的な浸水である」ことが多いです。
周囲に比べて、土地が低い場所では集中豪雨などにより、道路の側溝や下水道の排水能力を超えたりすると、道路や住宅地などが浸水します。
これとは別に、集中豪雨などにより「河川の氾濫」する場合を想定した『洪水ハザードマップ』があります。これについては、佐賀市消防防災課が担当しています。
佐賀市では、筑後川、早津江川、城原川、巨勢川、佐賀江川、八田江、嘉瀬川、福所江など市内を流れる河川が、大雨によって増水し、堤防が破堤した場合の浸水予想結果に基づいて、浸水する範囲とその程度、ならびに各地区の避難所を示した「洪水ハザードマップ」を作成しています。
佐賀市消防防災課作成「洪水ハザードマップ」から転載
佐賀市では、嘉瀬川という大きな川があります。この川が氾濫したことを想定した「洪水ハザードマップ」では、佐賀市内の全域が冠水することがシミュレーションされています。
ハザードマップは「内水」と「河川氾濫」を分けて検討を!
ハザードマップを見て建売住宅の購入を検討する際には、住宅の購入を検討する際には、「内水による浸水被害」と「河川氾濫による浸水被害」を分けて検討する必要があります。
特に、佐賀市の「河川氾濫の浸水想定ハザードマップ」は、バルーン大会で有名な嘉瀬川の氾濫を想定しています。この川が氾濫したら、佐賀市民にとっては壊滅的な被害を受けます。
内水による浸水被害の特徴は?!
内水による浸水被害は、集中豪雨が降ると河川が氾濫しなくても、道路や地下の施設などが浸水します。佐賀市でクリーク(水路)が多いために、これらで水の流れがうまくいかない場合には、内水の浸水が発生します。
しかし、内水浸水は、河川氾濫の場合とは異なり、規模が小さく、浸水が解消される時間が早いのが特徴です。
河川氾濫による浸水被害の特徴は?!
佐賀市には、嘉瀬川という大きな川があります。万が一、この嘉瀬川で堤防の決壊、水位が増えて越水した場合、佐賀市には大きな被害をもたらします。
この嘉瀬川の上流には「嘉瀬川ダム」があり、洪水の被害を守るための十分な備えはありますが、それでも「自然災害にはあらゆる備えを…」が鉄則ですので、洪水ハザードもしっかりと把握しておくことが重要です。
まとめ:当社の住宅展示場の「浸水」対策は?!
この写真は、当社が㈱アーネストワンで建築した住宅展示場です。内水ハザードマップ上では、浸水エリアにあるため、50センチの盛り土をした上で40センチの鉄筋コンクリートの基礎工事を施しています。
当社の住宅展示場を建築した㈱アーネストワンでは、基礎コンクリート工事や地盤改良工事を慎重に行っていて「浸水リスク」を十分に計算した家を建てています。㈱アーネストワンは佐賀市で「建売住宅」の事例を数多く持っているため、浸水対策の経験値が豊富です。
2019年8月の豪雨クラスの水害でも、当社の住宅展示場は浸水することはありません。とは言え「自然が相手」なので、浸水が100%ないとは言い切れませんが、リスクを最大限減らす努力はしておくべきだと考えます。
当社では、建売住宅内覧の際に、お客様に「佐賀市のハザードマップ」のことを説明します。その上で、その地区で浸水による被害の情報、建物の基礎の高さ、周辺道路、水路などの有無や位置関係などを、一緒にチェックします。
今回の記事では、佐賀市の「浸水ハザードマップ」を中心に災害のリスクについて説明しました。記事を最後まで読んていただき、心より感謝しております。
当社では、皆さまの建売住宅購入のお手伝いをさせていただいておりますので、お気軽にお問合せください。